Q.企業倒産の場合は、個人と比べて違いはありますか?


A.従業員や取引先に配慮して、早め早めの判断が必要です。

個人事業者や会社が経営に行き詰ることがあります。このような場合、経営者の経済的な更生も重要ですが、同時に、従業員や取引先への配慮も不可欠となります。

 

従業員については、解雇通知や離職票の発行、社会保険の資格喪失手続、住民税の特別徴収から普通徴収への切り替えを速やかに行い、従業員が失業保険をすぐに受給できるようにしなければなりません。さらに、未払い給与がある場合には、労働者健康福祉機構による賃金の立て替え払い制度も案内してあげるべきです。

 

取引先については、買掛金や借入金を返済することはできません。もっとも、大規模な倒産では、行政の認定により、連鎖倒産防止のための融資制度が受けられる場合もあります。倒産防止共済による融資制度もあります。さらに、倒産処理手続きを進行させれば、それだけ取引先が損金処理をしやすくなります。そのため、企業倒産では、早め早めの判断と周到な準備が必要となります。