A.交通事故を解決するための手続きとしては、①任意交渉、②民事調停、③訴訟、④交通事故紛争処理センターの和解あっせんがあります。
①任意交渉
当事者間で、話し合いにより解決を行うものです。Q3で説明したように、人身損害の基準は3つありますが、相手方が保険会社の場合は、自賠責保険基準や任意保険基準による賠償額の提案がなされることが多いようです。
②民事調停
裁判所が選任した調停委員に間に入ってもらって、話し合いによる解決のサポートをしてもらう手続きです。訴訟ほど難しくなく、手数料も低額です。反面、話し合いによる解決が前提なので、双方の意見がまとまらなければ調停不成立となります。大手の保険会社の場合は、調停になると、裁判所基準による賠償に応じてくることがありますので、訴訟を行うほどの金額ではない場合は、民事調停がお勧めです。民事調停は、原則として、相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に申し立てて行います。自分の最寄りの簡易裁判所の受付に行けば、どこの裁判所に、どのように申し立てればよいかも説明してもらえます。
最寄りの裁判所:裁判所ホームページ http://www.courts.go.jp/
③訴訟
いわゆる裁判のことです。当事者双方が主張や証拠を提出して、裁判官に判断してもらいます。訴訟の場合でも、常に判決となるわけではなく、裁判官の意見も聞いたうえで話し合いによる解決(和解)を行うこともあります。訴訟の場合は、当然に裁判所基準が用いられます。訴訟は、法律上は自分で行ってもよいのですが、手続きが複雑であり、弁護士等の専門家に依頼することをお勧めします。
④財団法人交通事故紛争処理センターの和解あっせん
財団法人交通事故紛争処理センターが運営する交通事故解決に向けた手続きです。交通事故に精通した弁護士が委員に選任され、双方の言い分を聞き、資料の提出を受けながら、解決案を提案してくれます。さらに、話し合いがまとまらない場合は、審査会で結論を出してもらえる場合があります。この手続きにおいても裁判所基準が使用されます。民事調停と同様に、被害者の方が弁護士なしでも利用しやすい手続きです。もっとも、最寄りのセンターが大阪市内か名古屋市内なので、京都北部、福井嶺南地方の方にとっては利用しにくいところです。
あっせん手続きの詳細:紛争処理センターホームページ http://www.jcstad.or.jp/index.htm