Q.どのような遺言をするときには専門家が必要ですか?


A.他の士業の方のHPを見ていると、全ての遺言に専門家の関与が必要であるかのように記載されているものもあります。しかし、Q13で説明した公正証書遺言による限りは、後から無効とされる危険性も少なくなりますので、普通の公正証書遺言であれば専門家は不要です。以下のような場合は、公正証書遺言による場合でも、専門家の関与があったほうがよいと思います。

 

①遺産が特に多くて整理に手間を要する場合。

遺産の種類が多くて、自分だけでは整理しきれない場合です。

 

②法定相続人以外の第三者に遺産を譲りたい場合(遺言執行者を選任する場合。)

遺言で、お世話になった方にも遺産を渡すと定めることはできます。しかし、法定相続人が遺言どおりきちんと処理してくれればよいのですが、自分の取り分を減らす話になるので積極的に動いて貰えない可能性もあります。こういう場合には、遺言の内容を実現してくれる人=遺言執行者をあらかじめ定めておくと安心です。遺言執行者は、弁護士など法律専門家以外でも就任可能ですが、特に揉めそうなときは、弁護士を選任しておくと安心です。弁護士に依頼する場合は、生前に、報酬についての契約を取り交わしおきます。

 

③一人の相続人に多く相続させる等、後に遺産争いが起きそうな場合。

この場合も、遺言執行者を選任しておいた方が安心です。また、遺留分(Q16参照)を意識した遺言とすることにより、将来、争いとなる可能性をできるだけ少なくする工夫が必要となります。