A.共同相続人のうち、被相続人の財産の維持又は増加に特別の貢献をした人がいる場合は、寄与分として考慮されることがあります。但し、昭和56年1月1日以降に開始された相続に限ります。
寄与分が認められるためには、家族関係において通常期待されるような程度を超える貢献が為され、それにより被相続人の遺産が維持され、又は、増加したことが必要です。親の家業を手伝ったような場合でも、通常、従業員に支払われるような賃金を得ていた場合は特別の貢献とは言えません。また、介護を行ったという場合でも、単にお世話を行っただけでは足りず、本来なら被相続人の費用で看護人を雇わなければならなかったところ、相続人の看護のおかげで、その費用を免れたといった事情が必要です。
寄与分が認められる場合には、遺産の額から寄与の額分を控除した計算上の金額を遺産とみなして相続分により分割方法を決めます。そうやって決まった分割後の遺産に寄与分の額を加えたものが、寄与分のある相続人の相続する範囲となります。